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新紙幣に採用された3Dホログラムなどの偽造防止技術について詳しく解説!!

新紙幣に採用された3Dホログラムなどの偽造防止技術について詳しく解説

こんにちは、お城が好きなtakaです。

2024年上期に新紙幣が刷新されるということで楽しみにしております。

今回は、その新紙幣で採用される「3Dホログラム」や「すき入れ」技術について詳しく記載していきます!

新紙幣刷新全体のことについては、魂を込めて作ったこの記事を参考に!

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紙幣の偽造対策の歴史

紙幣は偽造防止のため、約20年ごとに刷新されています。

科学技術が発展することにより、

通貨偽造が誰にでも行われるようになると通貨の信用が下がり、価値は次第に下がってしまいます。

通貨が信用を失うことは、その時の王朝や政権の存亡にも関わります。

通貨偽造は通貨偽造罪と言って、世界では一般的に、かなり重い刑罰に設定されています。

日本の偽札状況

現在の紙幣における偽造紙幣の発見枚数割合は、米ドル札や欧州圏のユーロ札よりも圧倒的に少ないです。
このことから日本における印刷技術の高さは既に十分高いと言えます

警察庁によると、2018年に1万円札だけで1523枚の偽札が見つかっていると発表がありました。しかしこれは2004年に比べ約6分の1に減っているので、技術の向上が偽札の防止に繋がっていることが分かります。

世界と比較してみると、さらに日本の技術の高さがわかります。
日本では275万枚に1枚の割合で発見されていますが、この割合を1としたとき、ユーロの偽札は137倍、米国ドルは275倍、英国ポンドは500倍の割合で偽札が見つかっています。

3Dホログラム

新一万円札と新五千円札には縦長の3Dホログラムを、新千円札には小型の3Dホログラムを付けられます。

今回世界で初めて、紙幣に3Dホログラムが採用されることになりました。

3Dホログラムとは、肖像が浮き上がって見え、右や左からのぞいても正面の顔が追いかけてくるように見えます。

ANNnewsのYouTubeで動画が出ていたので見てみましょう。

紙幣を傾けても、渋沢栄一さんの顔がずっと正面を向いているように見えますね。

まねしにくい技術を採用することで、偽造防止につながります。

3Dホログラムは特殊な接着剤を使って紙幣に貼り付けると発表がありましたが、詳細な印刷方法や開発期間はまだ非公表です。

レインボーホログラム

ちなみに2021年12月現在の紙幣に施されているホログラムは「レインボーホログラム」と呼ばれるもので、自然光だけを使って画像を浮かび上がらせることができ、眼を上下に動かすと再生像の色が虹のように変化していきます。

クレジットカードなどにも採用されています。



高繊細すき入れ

すき入れとは、紙の厚さを変えることによって表現する偽造防止技術で、「すかし」とも言われています。
日本のすき入れは、白すかしと黒すかしを組み合わせていて、濃淡の差を美しく表現しています。

紙幣で白い丸や楕円形になっている「すき入れ」は、光に当ててすかすと図柄や肖像が浮かび上がります。

新紙幣は従来の紙幣と比べ、より精度の高い図柄を描く「高繊細すき入れ」が採用されています。

深凹版印刷

額面の文字や肖像部分は、インキが高く盛り上がって印刷されています。
これを「凹版印刷」と言います。
印刷方式を凹版印刷にすることで、偽造がしにくくなります。

金額部分や日本銀行券という文字には、特にインキを高く盛り上げる「深凹版印刷」が使われています。
手で触ってみると、ざらざらしているのが分かります。

2021年12月現在、新紙幣に深凹版印刷を導入するという発表はありませんが、前回の紙幣・前々回の紙幣で深凹版印刷を行っているので、おそらく新紙幣でも導入されるでしょう。

識別マーク(深凹版印刷)

目の不自由な方が指で触って紙幣の種類を識別できるように、深凹版印刷によってざらつきを作っています。
識別マークは、券種によって位置が異なっています。

旧紙幣とのその他の差異

高齢者や訪日外国人にも読みやすいよう、額面表示は洋数字を漢数字よりも大きくして目立たせています。

紙幣を識別するための通し番号である「記番号」は、現在の最大9ケタから10ケタへ変更し、流通量が多くなっても対応できるようにしています。

また、新紙幣は色覚に障害のある人などに配慮し、それぞれ色鮮やかな色彩にしています。

まとめ

今回は紙幣の偽造防止技術についてみていきました。

偽造防止は、紙幣の信用を担保する上で必要で、日本はかなり偽造対策がしっかりできています。

新紙幣は、世界で初めて紙幣に3Dホログラムが導入され、従来よりもより繊細なすき入れを行っています。

人が簡単に偽造紙幣を発見できる技術のほか、コピー機やスキャナ等を使った偽造券の作成を困難にする技術など、お札にはたくさんの偽造防止技術が盛り込まれています。

そして、偽造されたとしても、それが必ず偽造券であることをつきとめることができるようになっています。

こうした技術は、現金取扱機器の多い日本の流通環境を支えています。

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